剥製師の独り言

独り言(1)

この道、48年長いのか短いのか解りません、
この頃、若い人が剥製師と言う仕事に興味を示し良い事だと思いますが、私は冷たく接しています。
何故でしょう、それは仕事柄自然の素材を使うからです。
飽食の時代、各食品店に並んでいる弁当類など時間になると捨てるのが当たり前になっています、それは人間が生きていく為に、尊い沢山の命の犠牲の上に、成り立ています。
我々、技術者は内容の違いが合っても大切な自然の素材を扱うことには変わりません、まして作品が残る仕事です。
安易な気持ちでは困るのです、そのみきわけがわかるまで助言のみとしています。
本当に熱意が有り、自然を大切に出来る人がいたら、私はその方が遠回りしなくて良いように、持てる技術は全部教えようと思っています。

独り言(2)

この頃、私的な剥製用教材を販売しているのを見かけます。
高いか安いか私には解りません、本当に身に付けば善いのだが心配しています。
興味を持つ人が増えることは良いのだが昔、私的な剥製教室が有りましたが、その沢山の卒業生が今も開業しているのは皆無に近いです。
本当にある程度のプロに教えを願えば授業料は高いと思います、何故でしょうか?
その方が覚えてもらう為に自分の仕事が止ってしまうからです、ただし中身は濃いです。
興味が有るのであれば参考になる本を紹介します、安いし基本は一緒です。

「動物剥製の手引き」
・著者:橋本 太郎 ・発行所:北隆館

「小鳥の剥製の作り方」「小動物の剥製の作り方」「魚の剥製の作り方」
・著者:本田 晋 ・発行所:ニューサンエンス社

○ アトリエ杉本の剥製が本になりました

独り言(3)

よく、上手か下手かを問う人がいます。
私は作品を見てもらえばわかると説明をします。
大切なペット等をハクセイ製作依頼する人などは、本当に心配だと思います。
遠くの人は見る事が出来ません、そこで私はホームページになるべく写真を載せることにしました。ただお願いがあります、鮮度が悪いと大切なペット等をハクセイにすることが出来ません。 迷わず冷やすか、冷凍してください、そして急いで私に相談をしてください。自然の形を残す事が私の仕事です。
申し訳ありませんが、私は鳥・獣・魚の総てをハクセイにすること出来ますが、時間が足りない為、一般からのハクセイ依頼は主に鳥類(飼い鳥を含む)に限らせて頂いています。

独り言(4)

9月28・29日東京流通センターで行われていた第2回2002年バード&スモールアニマルフェアに初めて出展しました。大好評にて終わり、その時の思い出をお話します。
出展にあたり、少し戸惑いがありました。
このフェアはいままで生体扱う業種が主で、ご存知の通り当アトリエで扱っているのは剥製です。受け入れてもらえるだろうか?しかし当日はもの凄い反応が有りました。もっと早く当アトリエを知っていれば、家の子(ペット)も剥製にして残して欲しかったと自分の大切なペットを思い出し泣く人が何人もいました。中には冷凍保存していたのだが、ペットの剥製店が見つからず、泣く泣く埋めてしまった人もいました。私はおもわず謝り私達が知ってもらう努力をしていない事をわびました。私が一番救われたのは1人の女性が前に来て「良かった、これで悩まなくて済む」と話し始めました。今大切にしているペットが居るが、亡くなったらどうしょうと真剣に悩んでいたようです。土に埋めるか焼いてもらうしか無いと思っていたことがもう一つ、形に残せることを知りホッとし、今飼っているペットを大切にしますと話されました。
私もこの話を聞き一番心に残り、益々努力をしなくてはいけないと心に刻み展示会を後にしました。











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